貸金業界用語の説明
おまとめローンの罠
「おまとめローン」とは、ある金融機関から、現在その人が借りている借金の総額分の融資を受け、その融資されたお金で他社への借金をすべて完済して、以降はその金融機関1社のみに返済をまとめることをいいます。つまり、簡単にいうと複数のローンを借り換えて、一本化することです。 |
「おまとめローン」を利用することによって、借金の総額や毎月の返済額がはっきりして返済計画が立てやすくなる、月に一度、1社への返済で済む、いわゆる「ブラックリスト」に載らないなどの良い面もあります。 しかし、「おまとめローン」を利用するということは、それまでの他社での取引上の借入残高を、そのまま借り換えることになります。 したがって、それまでの他社での借入の約定利率が利息制限法を超える利率で、過去の取引期間が長い借入先については、任意整理の手続きをすれば利息制限法に定めた利率で「引直し計算」をすることによって借入残高が相当減少するか、または過払いになる可能性があるにもかかわらず、それをしないが為に逆に経済的負担が増える場合もありえるのです。 例えば、A社、B社、C社、D社、E社の5社に各50万円(約定利率での残高)、合計250万円の借入残高がある方が、F社の「おまとめローン」を利用して、F社から250万円を借り入れ、上記5社の借金を返済したとします。この場合には、以降はF社に250万円の借金を返すことになります。 ここで、仮に上記5社の借入残高を、利息制限法に基づき「引直し計算」した場合に、各社の残高がA社40万円、B社30万円、C社20万円、D社が10万円の過払い、E社が20万円の過払いになったとします。
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